バグを活かす
バグを活かしていくということ。 それが、ロックの歴史だ。 エレキギターのアンプの歪み。オーバードライブ。 あれは、そもそもバグだった。 本来は絶対に歪まない範囲で使うはずのものを、 あえて歪んだまま作品にした。 そしてその「異常」が、 新しい快楽として音楽の核心に居直った。 ロックとは、 整った正しさをなぞることではない。 本来なら排除さ…
バグを活かしていくということ。
それが、ロックの歴史だ。
エレキギターのアンプの歪み。オーバードライブ。
あれは、そもそもバグだった。
本来は絶対に歪まない範囲で使うはずのものを、
あえて歪んだまま作品にした。
そしてその「異常」が、
新しい快楽として音楽の核心に居直った。
ロックとは、
整った正しさをなぞることではない。
本来なら排除されるはずのノイズや違和感や不格好さの中に、
まだ名前のついていない魅力を見抜いてしまうことだ。
壊れかけたもの。
はみ出したもの。
歪んだもの。
そこにこそ、
体温や色気やユーモアが宿る。
「それはミスだ」
「それは失敗だ」
「そんなものは直すべきだ」
そう言われたものを、
いや、そこが面白いんだよとひっくり返してきた。
それがロックだった。